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杉田水脈・長尾敬・伊佐進一 ー 過労死遺族を馬鹿にし続ける、高プロ法案と議員たち

5月24日の厚生労働委員会。

この日の委員会は、寺西代表を初めとした過労死ご遺族会の皆様が、安倍総理に自らの声を伝えようと傍聴に訪れていた。

その声を、実際に柚木道義議員が紹介され、安倍総理に対して、過労死遺族と面会するように迫ったが、総理は「厚労大臣が会う」と相手にしなかった。

過労死ご遺族が、高度プロフェッショナル制度に強く反対し、削除を求めていることは既報のとおりだ。

 

与党議員の反応

さて、この委員会質疑と、その後の本会議の厚労委員長解任決議に対して、自民党・公明議員から様々な反応があった。

この馬鹿は自分が何を発言しているのか理解しているだろうか。

「高度プロフェッショナル制度反対」とはっきり過労死遺族会は明言している。 (ああそうか、大臣がその訴えを削除したから、その発言はなくなったと勘違いしているのか?)

その声を国会で代弁することが、「パフォーマンス」というのは、どういう意味なのだろうか?

あなたが馬鹿なのは十分わかった。でも、人が死ぬような話、しかも、大事な家族を亡くしたご遺族に関連付けてこのような発言をするのはやめろ。

「昼も夜もなく24時間、休み無しで働けという業務命令が合法となる制度」で、「完全な規制の撤廃であり労基法の破壊」

高プロで働く労働者には、働き方の裁量がないため、「裁量労働制より悪い」。成果に応じた賃金が支払われる保証も「(法案の)どこにもない」

娘を亡くした佐戸さんは、声を震わせながら、次のように訴えた。

 

さらに、この日の質疑に出席していたはずの長尾・伊佐の両議員は、まるで過労死遺族の声がそんざいしなかったかのように「野党はモリカケばかり」という変わらない揶揄を続けている。

人間はどこまで品性下劣になれば気が済むのだろうか。自らの尊厳を捨ててまで、議員バッジは守りたいものなのだろうか。

人の生死に関わる法案で、しかも過労死のご遺族が出席した委員会を表して、このような揶揄が出来るのは、外道という他ない。

長尾、伊佐には議員バッジのレプリカを差し上げよう。二度と国会に姿を見せないでいただきたい。一生、その玩具で遊んでいればいい。

 

人の世の政治を取り戻す

▽18時28分 東京・銀座の日本料理店「東京吉兆」。伊藤一郎旭化成会長、経団連の今井敬、御手洗冨士夫両名誉会長ら財界人と会食。 

高プロ採決を予定していた当日、遺族と一切会うこと無く、経団連と会食する安倍総理。

そして、自らの大事な大事な議員バッジを守るため、人としてのまっとうな生き方を捨てた長尾、杉田、伊佐。

全員まとめて、政治家ごっこを辞めて、その品性にふさわしい余生を過ごせばいい。

我々国民は、あなた方には殺されない。その言動はすべて否定され、政治的痕跡はチリひとつ残らないだろう。

 

人の世の政治は人がなす。畜生が座る席は立法府にはない。

政治家・安倍晋三とは何者なのか ー 嘘つきが我が国の総理大臣である事実について

newspicks.com


 

愛媛文書を巡るニュースを聞いていると、コメンテーターの方がそろって「一体誰が嘘をついているんでしょうね」と首をひねっている。

が、度々述べているとおり、「安倍総理は嘘をついているかどうか?」という論点はもはや意味を持たない。安倍総理が虚偽を述べていることは明白だからだ。

「問題は、嘘をつくような人間が、果たして総理大臣としてふさわしいのだろうか?」という点であり、それを議論しなくてはいけない。

 

客観的に、いま判明していた事実を述べる。

  • 柳瀬総理秘書官は加計学園の関係者と三回も面会し、時に会談は長時間に渡った。
  • 柳瀬氏と加計氏が出会ったのは総理主催のバーベキューである。
  • 総理と加計氏は第2次安倍内閣以降、16回会食している
  • 安倍総理は加計氏を評して「時代のニーズに合わせて新しい学部・学科の設置にチャレンジしたいと聞いている」と祝辞で述べている
  • 総理と加計市は腹心の友である

一方、安倍総理はこうも述べている。

  • 具体的に獣医学部を作りたいという話は聞いたことが無い
  • 柳瀬氏と加計学園、加藤官房副長官と加計学園の会合は聞かされていない

安倍総理の答弁と、客観的な状況は明白に矛盾している。

このような状況で獣医学部を作りたいということを聞いたことはなかったとすると、これに対する合理的な説明が必要なことは明らかだ。

 

(6)関係業者との接触等

倫理の保持に万全を期するため、①関係業者との接触に当たっては、供応接待を受けること、職務に関連して贈物や 便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為をしてはならない。

https://www.cas.go.jp/jp/siryou/kihan.pdf

 この論法が通るなら大臣規範なんて必要ないのである。 「確かに利害関係者と会食もゴルフもしたが、そのような話はしていない」で通せばいい。

そこで何を話したかということは、証明しようがないわけだから、そんなことを論点にすべきではない。

下世話な話ではあるが、普通、既婚者が異性と一定時間密室に入れば不倫が認定される。「一晩中ホテルでトランプをしていました。そうじゃないことを証明してみろ、これは悪魔の証明だ」などと反論したらこの人は正気じゃないと思うだろう。

利害関係者と何度も接触し、また自身の秘書官と接触させた、という事実は状況証拠ではなく直接証拠なのだ。

 

愛媛県から参議院に提出された文書は、公文書である。公文書というのは基本的に100%信頼されるべきものだ。だからこそ、財務省の改ざん問題があれほど大きな問題になった。

この真偽に対して政府はコメントする立場にない、としている。

しかし、本来公文書を否定するのであれば、きちんと反証しなくてはいけない。雰囲気で事実だけを否定して、反証せず「コメントする立場にない」と言うのはおかしな態度なのだ。

このように、公文書の信頼性と国会答弁の信頼性を著しく落としているのは安倍総理の責任である。

 

普通、どれほど支持していた政治家であれ、嘘をついているとわかったなら覚めるものだ。

しかし、安倍総理を支持する層の多くは、総理が言っていたことが事実ではなかったという現実にぶち当たった時、自身の認識を上手く調整することで、総理の無謬性を守っているようにみえる。

このような態度は、既に信仰の領域に入っているのではないか。私もTwitterなどのやり取りやコメントなどの反応を見ることもあるが、はっきり言って彼らのロジックは全く理解ができない。

通常我々が社会的に有している認知では、安倍総理の答弁が嘘ではないと判断することは不可能だ。そう考えるためには、通常と異なる認知を持つ必要がある。

「大川隆法総裁(エル・カンターレ)は全宇宙の創設者である」と信じるのと同じ程度特殊な認知を持たない限り、安倍総理の答弁から、彼が真実を述べていると判断することは不可能だろう。

 

もう一つ、私が気になることがある。安倍総理が「記録を確認したところ、加計孝太郎氏と会ったことは確認できなかった」と述べたことだ。そもそも記録を破棄していると述べたのはご自身である。(その後、「確認できなかった」というのは破棄していたことだ、と官房長官がのべていたが)

嘘つきであることは問題であるが、同時に総理の嘘はすぐばれ、すぐに新しい証拠が出される嘘であるということも問題ではないか。

これは、もう、単なる嘘つきではなく病的な嘘つきである。病的な嘘つきでも総理大臣が務まる、と考えるのは、政治思想ではなく、社会規範を逸脱した信仰である。

 

このような事実は、この国を愛しこの国に生きるものの一人として、大変に辛い事実として受け止めなくてはいけないのではないか。

これは、正しい意味で議会政治と民主主義の危機である。

女性参政権前夜 ー 普通選挙の前、議会で一体何が語られていたか

努力義務だけではあるが、候補者男女均等法が成立した。小さい一歩かも知れないが、画期的な一歩だと思う。まずは超党派の議員の方々に敬意を評したい。

 

ところで、これに対し、自民党の小野田議員が下記のような発言をしている。

 

候補者が男女同数になるべき、シンプルな論理 

日本国憲法第十四条には下記の文言がある。

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 

「差別されない」とは、当然の前提として両者の能力が同等である(≠同一)と規定している。即ち、男性と女性の間に本質的な意味での能力の差はない、というのが大前提だ。

 

つまり、男女の候補者に差があるという現状は、憲法上の男女平等の理念から著しく乖離している、ということになる。能力的に差のない男女の間に、差があるとすれば、それを正していかなければならない、ということだからだ。

という現状を踏まえた上で、今回は理念法が提出されている。小野田議員は、女性が立候補しづらい 現状は認めておられていて、更にこの法案が理念法であることも(流石に)理解されているはずだ。

 

今回の法案には下記の文言がある。

男女が、その性別にかかわりなく、相互の協力と社会の支援の下に、公選による公職等としての活動と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを旨として、行われなければならない

これはまさに、小野田議員がおっしゃったような現状を変えていくための理念法である。憲法上の前提と著しく乖離した現実を正すため、より女性が立候補しやすいよう環境を整えることに反対することは、正直言って理解できない。

 

女性参政権と女性議員

普通選挙の前まで、一体婦人参政権はどのように語られていたのか、という点を見てみる。

昭和二十年。敗戦後、ポツダム宣言を受諾したあとの帝国議会の議事録だ。当時の幣原内閣の元、婦人参政権についての話し合いがなされている。

  

山隈康元貴族員議員

都會の婦人は相當政治的教養のある方もあるやうでありますが、多くの婦人は今日選擧權を與へらるるよりも寧ろ一片の「パン」、一塊の薩摩芋を貰つた方が非常な幸福であると叫んで居るのであります。

從ひまして此の婦人は衆議院議員選擧に臨む際、恐らく先刻どなたかの質問にありましたやうに、多くの棄權者を出し、又棄權者を出さないと致しました處で、有夫の婦は亭主の命令に依り、又其の他の子女は父兄の指圖に依つて投票する現在の一般婦人の状態に於きまして、候補者の閲歴、才幹等も何等關係しない、甚しきに致つては候補者の氏名すら承知しない者が大部分であらうと思ふのであります。

斯樣な状態、即ち亭主の命令、父兄の指圖に依つて投票を行ふ、自己の自由意思に依つて投票をなし得る者と云ふものは極めて稀であらうと思ふのであります。

 

昭和20年12月13日 ー 衆議院議員選挙法中改正法律案特別委員会

堀切善次郎大臣

何と申しましても矢張り婦人は單純であり、率直である點(てん)があると思ひます。さう云ふやうな頭で判斷することが又宜い場合も相當多いのではなからうかと思はれます。

 

固より婦人の投票の大部分は矢張り亭主のある婦人でありますれば、夫婦仲良く多分同じ所に行くことだらうと思ひます、或(あるい)は娘達は其の家の家長の、否父兄の話す所を聽いてそれに左右されて同じやうに行くと云ふことが大部分ではないかと思ひます。

 

此の間或地方の婦人達が集つて、婦人の投票がどうなるだらうかと云ふ話をした際に、皆の一致した意見としての觀測は、此の儘でうつちやつて置けば、棄權が五割位になりはしないか、殘りの五割の内四割は主人なり父兄と同じ投票になるだらう、五分は女の方が男を引連れるだらう、後の五分がどうなるか分らないと云ふやうに意見が一致したと云ふことを聞きまして、非常に興味のある話に聞いたのでありますが、大體そんな所ではないかと云ふやうな感じが致します。

昭和20年12月13日 ー 衆議院議員選挙法中改正法律案特別委員会 

堀切善次郎内務大臣の発言より(句点、改行を一部変更しました)

 

実際、普通選挙実施までにはこのような声があったのは事実だ。幣原内閣ではかなりの議論がかわされている。

しかしながら、実際は女性を含めた第一回衆議院選挙の投票率は概ね好調だった。

 

大石ヨシエ議員

私たちは、敗戰の結果、婦人参政権をマ元帥からもらつた。それは一昨日も申しました通り、長い間婦人は奴隷的な存在であつた。それが昭和二十一年四月の十日初めて婦人が、敗戰の結果、参政権を獲得して、投票権を持つた。そうして自分の信ずる人に票を入れたんです。

昭和27年04月28日 衆議院・地方行政委員会

 

大石議員は初の女性議員の一人であるが、「マ元帥からもらった」と評している。

また、普通選挙後に組閣された片山内閣では、女性大臣の要求が行われている。これも画期的なことだった。

 

吉川末次郎参院議員

片山首相は先般ラジオを通じて全國の婦人に呼び掛けられて、婦人の政治的自覚を促されたのであります。結構であります。併しながら同時にそういうことは、男子に対しまして婦人を人格的に尊敬するということを教えるということを相伴わなければならないものであると考えておるのであります。

婦人を政治的に、社会的に、経済的に、男女同権の立場からこれを尊敬し、これを重要とする所の観念が、この組閣の問題については少しも現われておらないと思いますることを私は深く遺憾といたすのであります。

封建的な、相変わらず封建的な男子中心的な観念から、そういう適任者はおらないと、こういうように簡單に、無礙に退けられたのではなかつたかというようにも考えるのであります。

昭和22年07月02日 参議院本会議

 

ところが、女性議員の地位向上は遅々として進まなかった。そのことは「国会キス事件」からもわかる。

 

そして、その比率もまた、ほとんど増えていないのだ。 


「女性は単純」と議会で話し合われていた時代から、我々が少しでも進歩していると信じておきたいと切に願う。

加計孝太郎氏と安倍総理 ー その友人関係は本物か?

予算委員会における、首相や与党の言い分を改めて見てみよう。

  • 柳瀬氏と加計学園の出会いは、安倍総理主催のバーベキューだった。
  • 柳瀬氏は加計学園の関係者と複数回、時に長時間に渡って面談していた。
  • 安倍総理は、加計学園が国家戦略特区に申請していたことは、全てが決定するまで知らなかった。

加計氏と安倍総理は、本当に友人関係にあるのか

安倍総理の言っていることを真実とするなら、自分が全く知らない間に、友人が勝手に自分の秘書官と話し、秘書官からアドバイスを受け、自分のビジネスに利用し、それに対して一言も相談がなかった、ということになる。

上記は安倍総理の言い分そのものである。

 

ここで、安倍総理が真実を述べているとすれば、この状況について、唯一説明が出来る仮説を提示しよう。

そもそも、加計孝太郎は総理を友人だと思っていなかったのではないか。そして、相談することは、むしろマイナスになると考えていた。

友人ならば相談の一つもしているだろう。プライベートだから迷惑をかけたくない、というならそもそも総理秘書官と会おうとしないはずだ。

 

加計氏が必要としていたのは人間・安倍晋三との友情ではなく、総理大臣という地位を持った人間との深いコネクションだけだったのではないか。

安倍総理が真実を語っているとした時の仮説

加計孝太郎氏は、総理との個人的関係を誇示して、バーベキューで知り合った、柳瀬首相秘書官とのアポを(安倍総理に報告することなく)取り付けた。

その際(どうやったのかはよくわからないが)とにかく総理にこの件を報告しないように言い聞かせた。

「本件は問題になるかもしれないから、決して安倍総理に報告しないように、俺から言っておくから」などとと言い含めた。そうでなければ、柳瀬氏が総理に報告しない理由は想像できない。

 

もしこの仮説をとるならば、つまるところ、友人だと思っていたのは安倍総理の側だけであり、加計孝太郎氏は安倍総理を単なる利用できる駒だとしか思っていなかった、ということになる。

なんという悲しい話だろうか。まるで「マッチスティック・メン」の世界である。

私がもし、自分が学生時代からの友人だと思っていた人間が勝手に秘書と会って、しかも信頼していた秘書が勝手に「総理案件だ」などと言っていたら、裏切られたと思って気が狂わんばかりになるだろう。

安倍総理の叫び

安倍総理は度々国会で「彼は私との関係を利用して、何かを成し遂げようとしたことは一度もない」と言っていた。

私はこの言葉に強い違和感を覚えた。なぜなら、友人関係というのは通常そういうものであり、そんな言葉は「彼は私を利用しているのでは」と疑っていない限り出てこないからだ。

「何かを成し遂げようとする」かどうかは、便宜を図る側にはわからない。言うべきなのは「私は彼に何か便宜を図ろうとしたことはない」という言葉ではないだろうか。

 

この仮説が真実であるとすれば、総理の「彼は私との関係を利用して、何かを成し遂げようとしたことは一度もない」という言葉は、荒涼とした総理の精神風景から来た叫びなのではないだろうか。

安倍総理のセキュリティホール

いずれにせよ、上記はただの仮説である。

しかし、安倍総理がこの件を相談されていようがなかろうが、加計氏が総理との個人的関係を使って岡山理科大学獣医学部の建設をもくろんでいたことは確かだろう。

籠池氏は安倍昭恵夫人というセキュリティホールを利用して学校建設を成し遂げようとしたが、加計氏が利用したのは、総理の心のセキュリティホールだったのではないか。

自分の周りにいる人間は、結局のところ利害関係でしかつながっていなかった……そんな絶望を食い止めようとした叫びが、安倍総理の国会答弁だとしたら、私はそれに対して、深い悲しみを感じざるをえない。

 

総理大臣が、自ら主体的に加計氏に便宜を図っていたとすれば、上記のような悲しい想像はしなくてすむ。

私としてはそのほうがよほど、気分が楽なのだが。

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「国会キス事件」と麻生・下村セクハラ発言 ー 大蔵大臣が働いた性的暴行の顛末から考える

麻生太郎 副総理兼財務相 「はめられて訴えられているんじゃないかとか、ご意見はいっぱいある」

下村博文 元文科相 「隠しテープでとっておいてね、そしてテレビ局の人がですね、週刊誌に売るっていうこと自体が、ハメられてますよね。ある意味で犯罪だと思うけど」

麻生大臣や下村元大臣が、かくの如き発言をした約70年前、「国会キス事件」が起きたことを皆さんはご存知だろうか。

これは、当時の大蔵大臣(今の財務大臣にあたる)である泉山三六氏が、国会内で飲酒をして(当時は認められていた)、参議院議員である山下春江氏に対してキスしようと暴行を働き、挙句に噛み付いて怪我をさせたというとんでもない事件である。

一体、この問題に対して、日本の立法府はどのように対処したのか、今回は議事録からその顛末を見ていただきたい。

 

昭和23年12月13日の衆議院本会議より。

山下春江君

本日午後六時ごろ(発言する者多し)午後六時ごろ、私ども大藏委員は、大藏委員会にかかつている法案の通過をスムースにするために大藏大臣の招宴がありました。その席上、泉山大藏大臣は泥酔いたし‥‥


〔「資格がない」と呼び、その他発言する者多し〕


議長(松岡駒吉君)

靜粛に願います。


山下春江君(続)

私に向つて、廊下に出ることを、彼は暴力をもつて強要いたしました。私も相当な力は持つておりますけれども、泥酔せる男子にはかないません。そこで、彼は暴力をもつて私を参議院食堂の外の廊下に引出しました。そうして、彼の行いました行動は‥‥


〔「恥を知れ」と呼ぶ者あり〕

驚くべきことに「恥を知れ」というのはこの山下議員に対する野次なのだ。

議長(松岡駒吉君)

靜粛に願います。

山下春江君(続)

私が恥を知らなければならないことを、私はここに断言いたします。私に向つて恥を知れと言う民主自由党に、私はあえて申します。大藏大臣に向つて私は申します。今晩あなたは泥酔して許される立場の人でない、そのあなたが何をなさんとするか。そんなことが何で今晩必要なんだと彼は申しました。私に恥を知れと言う前に、綱紀粛正を呼ぶ吉田内閣の恥を知らしめんと、私は立つたのであります。(拍手)


この追加予算が今夕通過するかしないかは、先ほど榊原女史が言つた通り、全國のこの公務員法に縛られた全官公二百万が、かたずをのんで待つている。この今夕、その当の責任者である大藏大臣が泥酔して、そんなことが何だ、おれは君が好きなんだという言葉が、どうあれば吐けるのですか。(拍手)綱紀粛正とは、一体全体どこなんでしよう。


〔発言する者多し〕


議長(松岡駒吉君)

靜粛に願います。山下君に注意します。一身上の‥‥


〔発言する者多し〕


山下春江君(続)

私はあえて申します。かくのごとき世界の注視の的であるこの追加予算の通過せんとするまぎわにおいて、保守反動と呼ばれる民主自由党内閣が、せつかく全國から選ばれたる女性の代議士をかくの如く扱いますることをもつて、世界は保守反動の党と言うのであります。


議長(松岡駒吉君)

一身上の弁明の範囲において発言せられんことを‥‥


山下春江君(続)

これを説明しなければ、一身上の弁明はわかりません。かくのごとき行動をとつた、これが私の一身上の弁明です。かくのごときことをこの壇上において言わなければならない日本國会の婦人代議士が、いかに侮辱されておるかを、満場の皆様は熟知されたでありましよう。こんなことで、日本の民主主義がどうして行われるのか。そういう吉田内閣によつて、このせつぱつまつた國会が動かされるのか。いかに日本國民が不幸であるか。


私は、泉山大藏大臣に侮辱された一身上の弁明を終え、同時に、かくのごとき内閣によつて、このせつぱつまつた國会が運営されておる日本國民の不幸を絶叫して、降壇するものであります。(拍手)

 

さらに、昭和23年12月14日懲罰委員会より抜粋。山下春江議員の発言。

しばらくして泉山大藏大臣は來られたのでありますが、何でも二、三ばいお酒を飲まれたと思うころ、そこに給仕に参りました食堂の女中を、首の所を何か抱きかかえたようなかつこうをして、これは私のたいへん好き――と言いましたか、愛しておると言つたか、何でもそういう婦人だから御紹介いたしますということを申しておりました。 

泉山さんはもうこんな所はつまらないからほかへ行こう、こういつて私の右腕をつかんで立たせようとしました。私が立たなかつたために、いすが横になりまして倒れそうになつたので、私は立ちました。立つたとたんに彼は非常な力を出して私を廊下の方へ連れ出したのであります。

それに反抗したのですが、かなり力のある人で廊下のまがつたところの階段におりるまん中辺まで來て、何をするんですかと言つたところが、やかましいことを言わないでも、ここにはだれもいないよ、こういうことでした。

泉山さんの力はかなり強いのと、その言動、行動が非常に狂暴なものがありまして、しかも私は日本の大臣がこういう行いをなすであろうかということを想像されないような、まことにここで発表することは泉山さんの人格の上からも、私自身も口にいたしたくないような行動を彼はとりました。

そこで私はやむを得ず、彼の力まかせに抱きしめておる中ですから、あちらこちら頭を振りまわしておる間に、私の左あごのところに今傷がついておりますが、彼が多分私の皮膚が切れたのではないかと思うほど非常にひどくかみつきましたので、思わず私は右の手で彼をなぐりつけました。それでやや手がゆるみましたので、私は抱きかかえておる手の下をもぐつて、私はもとの参議院へ帰つて行きました。

これはもう、セクハラというレベルではなく、性的暴行である。しかし、この発言に対して、なぜか山下議員の態度を問う質問があった。

鈴木(仙)委員

山下さんの平素の行為、そのときほんとうにやさしい婦人代議士として典型的な態度をとつておられたかどうか。 

明禮委員長

それからもう一つお尋ねいたしますが、あなたはどのくらい酒を召上りますか。

〔「いらぬことを聞くな」と呼び、その他発言する者あり〕

 

明禮委員長

参考に聞いておるのです。どのくらい召上りますか。

高橋(英)委員

小さいコップですか。


山下春江君

そうです。ウイスキー・グラスのちよつと形のかわつた小さなグラスです。


高橋(英)委員

あなたがおさしになつたのではないのですか、立て続けに……。


山下春江君

断じてありません。

高橋(英)委員

この泉山さんと山下さんは、非常にお心やすいじやないかと聞いたのですが、先ほどの話ではそうじやなかつたのですか。泉山さんに対するあなたの呼びかけは「三六さん」というようにお言いにならなかつたですか。

 

山下春江君

断じて私は大臣に向つて、さような無礼な言葉を使つた覚えはありません。

最終的に、このあと野党は全面的に審議を拒否、泉山三六大蔵大臣は引責辞任と議員辞職に追い込まれた。

さて、結局、彼は、このあと失意の晩年を過ごしたのだろうか?

 

そうではなかった。泉山氏はかえって人気を博し、参議院議員で全国三位の得票数で当選し、十二年もの長きに渡り参議院議員を務めた。

なんと「トラ(泥酔する)大臣」を自称して、本まで出しているのだから、人間の面の皮はどこまで伸びるのか、想像を絶するものがある。

トラ大臣になるまで―余が半生の想ひ出 (1953年)

トラ大臣になるまで―余が半生の想ひ出 (1953年)

 

 一方、山下議員は「隙があった」と批判を浴び、更に、大臣を誘ったのではないかというデマも流布されたようで、落選の憂き目に合う。

作家、宮本百合子もこのように書いているが、これが世間の大半の反応(いや、女性がこう書いているということは、おそらくそれ以上)であったことが推測される。

山下春江代議士の日ごろの態度にもすきがあったことはたしかでしょう。婦人代議士があれほど、「婦人の問題は婦人の手で」といって立候補しながら議会開会の全期間をつうじてその議場の演壇からもっとも雄弁にうったえることができたのが今日の醜態事件についてであるということは、またブルジョア婦人代議士の悲惨なる境遇をものがたっています。

泉山問題について

残念ながら、性的暴行の加害者が免責され、被害者の態度などに矛先が向く、という風潮は、この七十年の間ほとんど変わっていないことがわかる。

普通選挙が施行され、女性初の閣僚が誕生し、野党第一党の党首や衆議院議長などにも女性が就任した。女性議員の数もほんの僅かではあるが増加しつつある。

それでも、何か問題がある時に、被害者の態度などに原因を求めるという風潮は、一切変わっていない。

我々は七十年間で歩みは遅くとも進歩している。そう書きたいところではある。流石に今こんな暴行があれば、二度と政界復帰は出来ないだろう。しかし、昨今の麻生大臣の発言を見ると、その僅かな歩みすらも陽炎の如き幻想であったのではないか、という思いが強くなる。

 

改めて、本会議での山下議員の演説を載せておく。

かくのごときことをこの壇上において言わなければならない 日本國会の婦人代議士が、いかに侮辱されておるかを、満場の皆様は熟知されたでありましよう。

 

こんなことで、日本の民主主義がどうして行われるのか。そういう吉田内閣によつて、このせつぱつまつた國会が動かされるのか。いかに日本國民が不幸であるか。 私は、泉山大藏大臣に侮辱された一身上の弁明を終え、同時に、 かくのごとき内閣によつて、このせつぱつまつた國会が運営されて おる日本國民の不幸を絶叫して、降壇するものであります。

「認める方向で調整」という与党の検討が新聞に堂々載るという異常事態について

 加計学園の獣医学部新設をめぐり、与党は、柳瀬唯夫・元首相秘書官が2015年4月に首相官邸で学園関係者らと面会したことを認めることで国会の正常化を図る検討に入った。大型連休明けに柳瀬氏の国会招致を立憲民主党など野党6党に提案して審議復帰を呼びかける考えだ。

 柳瀬氏が学園関係者との面会を認めれば、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学園の獣医学部新設計画を首相側近が早くから知っていた可能性が出てくる。学園の計画を初めて知ったのは17年1月20日としてきた首相のこれまでの答弁も揺らぎかねず、「加計ありき」との批判が再燃することは避けられない。 

 ※よく考えると答弁ではなかったのでタイトルを修正しました

 

 

 この報道が出たとき、何よりまず驚いた。「与党が認める方針」などと言う言葉は、どういう理屈で出てくるのだろうか。

 この報道は「政府が嘘をつかせるように柳瀬氏に指示していたが、どうも隠しきれなくなったので認める方針になった」という以外、読みようがないので、もし事実でないとするなら、とりあえず政府は抗議した方がいいのではないか、と一応ご助言しておく。

 

 記憶を調整したり、事実を認めたり認めなかったりすることを堂々と「調整」するのは、相当異常な事態である。

度々引用するジョージ・オーウェルの「1984」に、このような一説がある。

過去は変更されるだけではなく変更され続けるのだ。

最も彼を悪夢のように苦しめることは、なぜそんな大規模な詐欺行為がおこなわれているのか彼には全く理解できないということだった。

過去を改ざんすることの直接的な利点は明らかだったが根本的な動機は謎に包まれていた

 

The past not only changed, but changed continuously. What most afflicted him with the sense of nightmare was that he had never clearly understood why the huge imposture was undertaken. The immediate advantages of falsifying the past were obvious, but the ultimate motive was mysterious. 

 私もこの主人公、ウィンストンに全く同感だ。これは異常であり、この異常な対応をしてまで何をしたいのか、私には全くわからない。

 このような異常事態が、あたかも「あー、ようやく認めたのか」程度にしか受け取られなくなっていることに、強い危機感を感じる。

 これは、決して普通のことではないのだ。麻痺してはならない。

 

 いずれにせよ、柳瀬氏が極めてハードな努力によって記憶を取り戻すことに成功していたにせよ、あるいは客観的状況からそれを認めざるをえないということを認めたにせよ、それが意味するのは我々はやはり記憶というものを当てにしてはならないということであり、政府の文書管理の責任が大きく問われるということになるだろう。

  歴史は文字によって紡がれるべきである。決して曖昧で都合のいい記憶ではなく。

 

野党合同ヒアリングとは何か ― 国会の代わりではないその存在意義とは

 

 

野党合同ヒアリングとはなんだろうか。まずはこの動画をご覧いただきたい。

 

合同ヒアリングと国会の違い

上の動画を見ていただくとわかるのだが、野党は文科省から官邸に送られたメールについて「調べて欲しい」と要求している。

それに対して、内閣府の担当者はこう答えている。

やらないと行っているつもりはないが、調べるかどうかも含めて検討している

こんな稚拙なやり取りを国会に残すべきではない。

 

国会とは、きちんと国政調査権を使って、資料を明らかにした上で議論をすべきものであり、国会が持っているはずの国政調査権を「検討中」などと言い訳して妨害するような行為は、国会法第104条に反している。

野党合同ヒアリングは決して国会の代わりにならない。このヒアリングで聞いているようなことは、本来国会質疑の前にオープンにされるべきだからだ。

 

と考えると、野党合同ヒアリングとは「国会の審議をする前提」を整えるための場である、と定義することが出来るだろう。

ヒアリング/政調部会とは?

そもそも、与党でも野党でもヒアリング自体はよく行われている。

与党側のヒアリングは全くオープンにならないだけで、昔から政調部会でのヒアリングは官僚といわゆる「族議員」による政策決定のプロセスに置いて重要な位置を占めていると言われていた。

また、野党側のヒアリングも重要である。政府側の主張や実際に行われていることをチェックするため、政府側にデータを求め、そのデータに基づいて追求するのが国会だ。

「データを出してください」などと求めるのはあるべき国会の議論ではない。

 

なぜこのように野党合同ヒアリングが紛糾するかというと(そしてまた、なぜマスコミがここまで集まるかというと)、野党が要求する資料や調査がいっこうに進まないからである。

普通、与党が資料を要求してそれを出さないということは有りえない。ところが、先程の動画にあるやり取りのように、官僚がいっこうに資料を出さないので、吊るし上げるように見えてしまうのだ。

これは「モリカケいつまでやっているんだ」と同じく、資料を出さない側の問題である。例えば防衛省の資料などであれば、機密性が高いことは理解できるが、文科省から内閣府に送られたメール一つ調べないのは、ただの保身でしか無い。

議事録に残ってないの?

正確な議事録もなく、議場外で官僚に答弁を迫る手法には、与党だけでなく、身内の野党からも「単なるパフォーマンスで邪道だ」と突き放す声が出ている。  

読売新聞の記事で上記のような記述があったが、そもそも与党の政調などでのヒアリングも正式な議事録には残っていない。これは「国会の議事録に残るか残らないか」という問題であり、これを理由に批判するのはおかしい。

マスコミフルオープンで、ほとんどの議事録は YouTube などでも視聴できる。

野党合同ヒアリングの課題と今後

野党合同ヒアリングにはいくつかの課題も存在する。合同ヒアリングであるがゆえに、どうしても質問がばらばらになってしまいがちな部分があるし、散漫な印象も受けるだろう。

また、個人的心情としては確かに官邸が抑えているのに課長クラスの官僚に怒ってもなあ、という気もする。

 

しかし、繰り返すが、メール一通すらも調べられない、調べるかどうかも明言できないような政府に対して野党が国会で質疑をすることは不可能である。

なぜなら、データと証拠に基づいて行政監視を行うのが国会だからであって、今やったところで、ヒアリングと同じレベルの「出す」「出さない」の話になってしまうことは明白だ。

そもそも、このような追求型のヒアリングこそ、今の政府の機能不全を表していると言えるだろう。

審議拒否とその理由 ― 野党は「審議したフリ」をすべきではない

野党の審議拒否に対して、与党からの批判が強い。

(私は決済したデータを書き換えるほうが恥ずかしいとは思うが、それは個々人の認識の違いだろうか)

 

さて、考えていただきたいのは、なぜ国会が開いているか、だ。

 

答えを言うと、開いたからだ。別に禅問答ではない。委員長が開いたから開いたのだ。

 

審議拒否については一旦置いておこう。

野党に批判的な方々は、そもそも今委員会を開催する必要があると考えているだろうか。

なぜ今ここまで国会が紛糾しているかといえば、それは財務省のデータ書き換えや財務省の改ざんなどがあったからだ。

これが問題であることは、ほとんどの人が認識を共有しているはずだ。

 

しかしながら、現状、その改ざんの実態はほとんど明らかになっていない。例えば財務省のデータ書き換えに関しては、元の間違っていないデータがまだ出ていない。

更に、防衛省の日報問題などについても、調査中のまま全く実態は明らかになっていない。

 

一般企業の会議で例えると、会議で出したデータが間違っていた。しかし、元のデータを出す気はなく、「明日また会議をやります」と言っている。

それは果たして効果的な会議のあり方だろうか。

 

そもそも、行政府の信頼を揺るがしている問題に対して、与党が未だ何ら有効な打ち手を打てず、一体何が真実で、何が嘘なのかがわからない状態を放置していることが異常であり、この状態のまま国会をやったところで、何ら有効な成果が出ないであろうことは容易に予想される。

なぜならば、そもそも野党が要求していることは「データ出してください」「ちゃんと証言してください」「ちゃんと調査してください」というレベルのことで、それは国会で審議するのではなく、行政府が責任を持って行うべきことだからだ。

一言付言しておくと、私は要求の中に麻生大臣の辞任を入れたのはあまり筋が良くないとは思っている。失言製造機と化した麻生大臣が辞任しないのは全く不可思議ではならないが、国会が正常でないことのほうが重大であるからだ。

 

私は空回しは日本の国会システムにおける最大の無駄であると考えている。しかし、その責任は開いている方にある。だって野党は出ないって言っているのだから。

柳瀬さんを証人喚問でもしておけば交渉の余地が出来る。更に言うなら、法案を先送りすればこの無駄な時間を過ごす必要もない。

しかしながら、政府与党は働き方改革法案の審議を優先させるため、国会が空転させることは承知の上で、総理と副総理を二時間も何もせずに国会に縛り付けているわけだ。

mainichi.jp

 

いまわざわざ国会を開きたい人は、一体何を審議したいというのだろう。ハリボテのデータと、記憶を無くした人たちの答弁と、調査中で何も言えないという官僚の報告を聞きたいのだろうか。

いくら国会マニアといえど、そんなものは辟易とするはずだ。

 

 

データが正確ではない、資料も出てこない、誰もが記憶をなくしている。そんな国会審議は、単なる審議ごっこにすぎない。やる必要がない。野党が出席しようがしまいが、既に国会は壊れている。

野党が出席していなければ「なにかおかしい事が起こっているな」と国民は思うだろう。まあ、「野党がサボっている」と思う人もいるかもしれないが、それは仕方ない。唯々諾々と審議に応じていれば、立法府は正常に機能していると誤解されてしまう。

今野党がやるべきなのは、国会にお行儀よく出席して「資料を出せ」「調査中だ」などという噴飯物の国会ごっこをするのではない。国会が壊れていて、機能していないことを、国民の多くに共有することではないだろうか。

 

税金泥棒は、一体どちらなのだろうか。

政党名の変化から探る ― なぜこんな党名になってしまったのか選手権

党名の由来を集めてみました。

日本を元気にする会

名称について松田は、"会派設立届けの提出締切の直前に事務所で昼食を取りながら会派名について相談するなか、中々全員がピンとこないでいたところ、たまたま思い付きで「ここにいるメンバーは、しがらみなく、日本を元気にしたいと言っている。シンプルに『日本を元気にする会』も良いかもしれませんね」と言ったところ、その場にいた全員が思いのほか「いいね!」と賛成した"ため。としている

 

Wikipedia より

みんなの党の解党後、会派に残らなかった松田公太氏などの議員が立ち上げた政党。海賊党の仕組みなどをモチーフに直接民主制に近い仕組みを、一部導入していた。

アントニオ猪木議員とは関係がない(松田氏談)らしいが、全員がピンときた理由は猪木氏ではないだろうか。

たちあがれ日本

平沼は、新党名として自身が「日本保守党」を挙げたところ、石原に「ださい。」と一蹴され、「がんばれ日本」との案が固まったが該当名称がJOCに商標登録されていたために断念したとのエピソードを語っている。

 

Wikipedia より

郵政民営化依頼無所属で活動していた平沼赳夫議員と、自民党を離党した与謝野馨議員が徹底的な反民主」を党是に掲げて(反対ばかりの野党は駄目なんじゃないのか)結党された、第二保守政党。

党名に関しては、平沼さんがかわいそうという印象しかない。

生活の党と山本太郎と仲間たち

「数日前に小沢氏と山本氏が会談した。山本氏は既存政党に所属するのを良しとしないため、“無所属の会”に党名を変更するなら加わるとの考えだった。ただ、小沢氏も“生活”の名を残したい。結局、両者が譲らないままの妥協案で出たのが“生活の党”に“山本太郎となかまたち”を加えた政党名だった」(永田町関係者) 

 

東スポより

「日本未来の党が」分裂後、「生活の党」として活動していた小沢一郎代表が、政党要件回復のために政界の暴れ馬・山本太郎氏を引き入れた際に変更した党名。

なぜ妥協してその名になったのかは永遠の謎。

フロム・ファイブ

政党名は、「5人でメッセージを発信していく」を意味する。 

 

Wikipedia より

新進党分裂の際、細川護煕元総理が立ち上げた(実は自由連合の党名を変更しただけが)政党。

細川護煕さん・樽床伸二さん・円より子さん・上田清司さん・江本孟紀さんという、キラ星の如き個性派議員が集ったスター集団。

細川さんは元総理だし、樽床さんは希望の党の会見に出てくるくらい偉いし、円さんは未だに出馬するくらい政治への思いが強いし、上田さんは埼玉県知事として盤石だし、江本さんはカーブを何種類か使い分けて通算113勝もしている。

反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党(略称 反TPP)

我々は先ず現在の国民にとって緊急の課題である、「反TPP・脱原発・消費増税凍結」を掲げ、国民と国土を守るために決起します。

 

党HPより

総選挙を目前として混乱した民主党から離党した山田正彦衆院議員と、国民新党のお家騒動で無所属となっていた亀井静香衆院議員が立ち上げた政党。

立ち上げ表明の3日後に減税日本と合流して「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」 になり、その更に5日後には日本未来の党の結党に参加して使命を終えた。

英語名は「Tax Cuts Japan – Anti-TPP – Zero Nuclear Party」

 

新党改革 

 なお、新党改革の旗揚げに際して、代表の舛添は略称を「ますぞえ新党」とする方針を表明していたが、公職選挙法86条の7第1項後段は、届出る政党の名称や略称に代表者の氏名を類推させる表現の使用を禁じており、中央選挙管理委員会が認める見込みがないことが判明したことから、この略称使用は幻に終わった。

小沢一郎民主党代表の党運営に反発し、離党した渡辺秀央衆院議員と、田中康夫氏を代表とする新党日本から分裂した荒井広幸参院議員などが立ち上げた政党。

舛添代表の就任と退任、幻に終わった家庭ノミクス、議員のトレードたちあがれ日本との統一会派、安保法案の付帯決議、高樹沙耶さんの擁立、山田太郎元参院議員が最後に所属など、国会の陰日向で波乱万丈の生涯を生き抜いた。

中村喜四郎氏や(幸福実現党唯一の国会議員である)大江康弘氏、西村眞悟氏など、比較的短期間在席/会派に所属した個性の強い議員も多かった。

「ますぞえ新党」であれば別の意味で憲政史に残っただろう。

おおさか維新の会

「『おおさか』は、地域の名前じゃない。大阪でやっている改革の象徴だ」

街頭などで「サッポロビールは札幌だけで売っているビールじゃない。全国で飲まれている」(下地幹郎・国会議員団政調会長)として、有名ブランドを引き合いに、地域限定の党ではないことを強調する。

江田派と分裂した維新の党(松井・馬場派)が再び純化路線のため立ち上げた全国政党。地域政党の「大阪維新の会」とは別の政党としてスタートした。

サッポロビールとは違い、おおさか改革マインドの全国化には失敗したのだろうか。 

新党きづな

党名の由来になったのは、2011年度(平成23年)の今年の漢字で「絆(きずな)」が選ばれたことである。

当初の党名案は「新党きずな」であったが、「絆」という言葉の語源が「綱」や「つなぐ」だとの意見がメンバーから出たことから、最終的な党名は「新党きづな」となった。

 

Wikipedia より

野田佳彦総理の消費税増税に反対した民主党議員が結党した政党。後に同じく離党した小沢一郎氏の政党「国民の生活が第一」に合流。

「今年の漢字」で選ばれたから政党名を付けるという謎発想。微妙に漢字の読み方でオリジナリティを出そうとしているあたりが……。 

番外編 かっこいい政党名

緑風会

戦後に存在した無党派の会派。参議院は衆議院とは違い、党派を持たない。という建前で作られ、是々非々を貫いたものの、政治である以上利害関係が絡まないはずもなく。結局、与党の草刈り場になってしまった。今は民進党・新緑風会にその名を残す。

立憲帝政党

民権運動に対抗して結成された御用政党。「立憲」と「帝政」というこの二つのごつい単語が組み合わさってかっこ悪い訳がない。 

改進党

まだこの時代、「改」も「進」も手垢がついていない。

琉球民主党・琉球人民党

本土復帰前、事実上自民党と共産党の沖縄県連だった政党。「琉球」という文字がかっこいい。

新生党

竹下派から独立した小沢・羽田派の政党。非自民・共産による細川連立内閣で強い影響を保ち、後の新進党・民主党の系譜を作った。

「新党」という言葉は、その後手垢が着きまくってしまったけど、このころは非常に清新な印象があった。

あと、ロゴはシンプルで、力強く、優れた政党ロゴの一つであると思う。

 

Japan Renewal Party Logo