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大野元裕×稲田朋美【参議院外交防衛委員会】

稲田朋美大臣の答弁能力を考える

大野元裕議員と稲田朋美議員の参院外交防衛委員会での質疑を書き起こした。

稲田朋美大臣の答弁能力を検証しよう。

 

 

 

大野元裕議員 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。予算の審査に入る前に稲田大臣にお伺いをさせていただきたいことがございます。

前回私が質問したのは2週間半前でした。その間大臣の発言・対応ぶり、体験をさせていただきましたが、疑問を抱かざるを得ないところが多々あります。

大臣というお立場にあるにも関わらず調査確認が不十分のままに行われ、発言が二転三転をする、あるいは第三者の発言がご自分の主張と異なる。そういった様子が窺われました。

我々は野党ですけれども、一国の閣僚ですから、大臣の国会における発言の重みに対しては敬意を払いながら、大臣としてその言葉を信頼して、国会の審議をさせて頂いて参りましたが、最近の答弁は信頼を欠いています。大臣としての資質に対しても疑問を 感じざるを得ません。

そこで大臣の発言一つ一つ信頼できるかどうか、我々疑いながら議論しなければならないという極めて残念な状況になっています。このような状況では国会の審議にも影響が出てしまう。質問などできない、というのが本来の野党の立場かもしれませんが、その一方で予算も成立してしまう。そんな中で、今日は予算の委嘱審査が行われるという極めて異常な状況であります。

第二にお伺いしますけれども、六日に同僚の福山議員が、大臣は弁護士時代に森友問題の塚本幼稚園の顧問弁護士でしたかと尋ねたところ、大臣は顧問であったことも、法律的な相談を受けたこともないとして否定をされました。

1週間後に小川議員が同じ質問したところ、やはり大臣は同様に否定をされました。けれども証拠書類を見せられて、「私の名前があったということは 推測される」という意味不明な答弁をされました。

またその翌日、記憶違いという便利な言葉を弄されて、大臣はこの答弁を覆し、また同じ日の予算委員会では顧問契約書を確認したと述べられました。

さて、大臣。国会で答弁するにあたって、6日に福山議員から問題が提起された後に、契約書などで確認をすれば、いっぺんに疑問が解消したんではないんでしょうか。

なぜしなかったんでしょうかね。大臣。小川議員から書類を見せられた時、何とおっしゃったか覚えてらっしゃいます?「12年、12年前ですよ!それ12年、12年前ですよ!」そうおっしゃったんたんです。

大臣は12年も前のことで、あたかも遠い昔だから覚えてない、そうしたかったのかもしれませんけれども、しかしその一方で記憶に自信があったと強弁をされる。

理解できないですよね。大臣。6日の福山さんの質問の後に、12年前のことを強調されるのであれば、実際の資料等を確認する。それが必要だったのではないかと思いますけども、いかがですか。

 

稲田防衛大臣 昨日、弁護士時代の活動に関して私の記憶に基づいて、答弁を申し上げました。と同時に、申し上げましたように、私大変記憶に自信を持っていた為、あのような良い切り方の発言をしたわけです。

そして、籠池氏との顧問契約に関して、契約書 を確認をいたしました。平成16年10月に稲田龍二が締結をいたしておりますが、その後同年12月に西梅田法律事務所が、弁護士法人光明会に改組されその契約も引き継がれました。

私も光明会の社員の立場にありましたので、その限りでは無関係ではないと考えておりますけれども、私個人として顧問弁護士であったことはなく、またこの顧問契約は、平成21年8月頃には終了をいたしております。

なお、小川委員が予算委員会で示された、準備書面と題する私の入っている書面については、いきなり提出されたこともあり、私はいきなり提示されたこともあり、そこで確認をしなかった。

そしてそこで私は自分が受任をした覚えが全くなかったので、また、抵当権抹消訴訟というものを全く記憶になかったもので、あのように答えさせていただいたところでございます。

しかしながら、第1回口頭弁論期日に訴訟陳述するという、その期日…あ、契約書の話は今申し上げた通り、平成16年10月に稲田龍二が締結をして、平成21年8月頃には終了をしているところであります。

私としてはもう委員のご指摘、様々委員会でもご指摘を頂いていることを重く受け止め、今後とも誠実な答弁につとめ、あたっていきたいと考えております。

 

大野元裕議員 なぜこのことを取り上げたかと言うと、実は私の前回の質問、9日だったんです。

福山議員と小川議員のちょうど間です。その時私はこの委員会で稲田大臣がお勤めになってらっしゃった、弁護士法人光明会と森友学園の顧問契約に関する資料の提出を求めたんですね。

福山議員の質問のあと、多分確認されてない。小川議員の13日の時にも、否定されてますから、それ以降におそらく契約書確認されたんだろうと思いますけれども、つまり私が資料を求めても見もしなかった。

私の要求というものは無視するに如くはないと、そういうことだったのかなということを、実は後からわかりまして、大変残念だったんですけれども。大臣、確認するのは遅すぎたと思いませんか?

 

稲田防衛大臣 私は、顧問契約書は、稲田龍二個人の契約で締結をしているということを、主人との間で、聞き取って確認をしていたところであります。

契約書自体は、確かに少し後になりましたけれども、その点の確認はしておりました。しかしながらですね、委員もご指摘の通り、しっかりといろんな事実関係について、たとえ十三年前の訴訟であったとしてもですね、また、夫が担当する訴訟であったわけでありますけれども、そこはしっかりと確認はすべきだというふうに考えております。

 

大野元裕議員 後に見たというのはどういうことですか。後に確認したというのはどういう意味ですか。

 

稲田防衛大臣 夫から、稲田龍二個人で締結をしているという風に聞いておりました。その書面自体を見たのが後になったということでございます。

 

大野元裕議員 14日まで見てもいなかった。大臣ね、6日に福山議員が質問してました。これは契約書そのものではありません。契約について尋ねた。私は契約書の話を9日にした。で、13日にも言われても出てこなかった。やはりそのファクトをきちんと確認をして。国会ですから、国会で答弁をすることの大臣の、言葉の重みというものは、我々も先ほど申し上げた通り野党であっても敬意をもって重く受け止めるものであります。

大臣であればこそ、そこは ファクトをもって、ご答弁をされなければ、結果として二転三転をする。虚偽答弁じゃないかとも言われてるんですよ。そこは是非、大事には重く受け止めて頂きたい。

そこで改めて聴きます。今の顧問契約は少なくとも、16年から21年8月までという話でございましたが、顧問契約書についてはご提出いただけますか?

 

稲田防衛大臣 現時点において確認が取れておりません。たぶん夫が個人で契約を押しました。それは私も、契約書自体を確認をいたしております。そしてその後、法人になってから契約書を交わしてないのではないかという風に思いますが、現時点で確認ができている契約書は、夫個人の契約書ということでございます。

 

大野元裕議員 ちょっとは待ってください。21年の8月まで契約をしていたことを確認をした。そしてご主人と個人的な契約をされた。昨日の藤田議員とのやり取りの中で、顧問料もらっていた。ということは契約がないのにもらっている。確認もしないのにお金もらっちゃったってことですか?

 

稲田防衛大臣 私が申し上げておりますのは、契約書でございます。契約書は、稲田龍二と個人で契約をしておりました。その後の法人化をしたわけでありますけれども、その法人と籠池氏との間の契約書、自体は存在がまだ確認ができていないということでございます。

 

大野元裕議員 全く分かりません。21年の時点で法人になってるんです。個人的な契約をしていたから、それが引きずられていた、ずっとその継続されていたということなのかなという風にも思ったんですが、聞いたんですが、正直わからないのでその契約書を提出してください。

もし必要であれば、個人情報等、お得意の黒塗りで結構でございますので、ぜひご提出いただきたいと思います。お願い致します。

 

稲田防衛大臣 そして法人成りした後の契約書、今時点で探しておりますけれども、確認をされておりません。しかしながら、法人化した時にですね、その契約自体は引き継がれたということでございます。そして今、委員のご指摘の契約書について確認作業を続けておりますが、現時点で確認ができてないということでございます。

 

大野元裕議員 ちょっと待ってください。大臣、契約書を確認した上で、顧問契約が続いていた、光明会として契約をしたので、私も社員の一員であったので、責任を免れないとおっしゃってるわけじゃないですか。どこでどう確認をしたがために、契約書確認して、私も責任が法人の一員として責任がありますと、法人の契約がないのに言えるんですか。大臣、一番最初の頃の答弁は、ご主人の契約なので、個人なので関係ありません、と言ったのがそれがひっくり返って、法人の一員なので責任があるんです、とおっしゃっているんです。ご主人と勝手な契約ならあなたに責任はないですよ。どっちなんですか、稲田防衛大臣。

 

稲田防衛大臣 契約についてはその後弁護士法人光明会に改組され、同契約が引き継がれたということでございます。私も光明会社員の立場にありましたので、その限りでは無関係ではないということを申し上げたということでございます。

 

大野元裕議員 契約書の提出を求めますが、まずそちらについてお伺いします。答弁していただけますか、稲田防衛大臣

 

稲田防衛大臣 引き続き確認を致します

 

大野元裕議員 待っていますからその分を提出してください。

 

稲田防衛大臣 現時点で確認をされていないということでございます。

 

(速記止まる)

 

稲田防衛大臣 西梅田法律事務所、稲田龍二として個人で契約が締結をされております。従いまして、これは稲田龍二個人の顧問契約ですけれど、守秘義務の関係もございますので、確認はいたしておりますが、契約書を提出することについては、委員会でお図りを頂きたいという風に思います。

 

委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会におきまして共有致します。

 

大野元裕議員 そうすると、確認を進めておりますということですが、16年10月に私人であるご主人が森友と契約を結んで、大臣は一番最初の答弁ではそう言ってるんです。私人で関係ないって言ってるんです。ところが、その後光明会との契約でして、私もその一員であるから責任がないとは言えない、と言っているんです。引き継がれたことをどうやって確認し、なおかつ21年まで、その少なくとも契約上ですね、契約上ですよ、契約上顧問としての責任を負っていたということを、どのように確認をして答弁されたんでしょうか。

 

稲田防衛大臣 の立場に私も会ったこと法人化したことによって同契約も引き継がれたと、いうふうに考えられること、契約が平成21年8月頃に終了しているということは、これは夫からの聞き取りで聞いておりますが、どうして平成21年8月頃なのかという質問については、その頃まで顧問料が支払われていたということでございます。

 

大野元裕議員 支払われていたことをもって、契約が8月からであったんだろうと、こういうふうにおっしゃっているのかと思います。あの引き続き理事会に諮るってことでしたけど、一番最初申し上げました、大臣の言葉に信頼が置けなくなっている。だからファクトが必要なんだということですから、しっかりと国会の重みというものは、是非確認をしてほしいんです。

平成16年にご主人の代わりに出廷をされた。これは議員になられる前、これは認めておられます。また翌年の準備書面に名前が出ていたことも、これは認めになっておられます。また顧問であったという認識はなかったけれども、おっしゃった通り顧問料はもらっていることも認めておられます。ここは実は、当初の発言とは変更をして認められた部分と、まずは理解しています。

その一方で、終始一貫されてるのは、森友学園の法律的な相談を受けてはいない。これについては一貫して意地をされてると、法律相談を受けてない ということで、これよろしいですね、確認してください。

 

稲田防衛大臣 私の認識記憶によりますとかごいけしから法律相談を受けたというそういう記憶がないということを国会で答弁をしてきたところでございます

 

大野元裕議員 あの前者については記憶に頼るまでもなく確認をされているということで、校舎については法律的な相談を受けていないと少なくとも思ってらっしゃるということですよね。昨日の藤田議員との質疑で大臣は顧問料については申し上げられないが確定申告をしているはずだとおっしゃいました。確定申告してるってことは、それは雑収入もしくは事業収入と通常の給与収入とは別のものだということになると思います。大臣、報酬を得て顧問という業務を行い、確定申告までされたということは当然資産報告書にに報酬もしくは顧問料として記載されていますね。

 

稲田防衛大臣 ご答弁いたしましたのは、確定申告はしているはずだということを申し上げ、昨日これは夫に確認を致しましたが、当然確定申告はしているということでございます。

 

大野元裕議員 答えてないですね。資産報告書に記載を押してありますね、報告をしてありますね。

 

委員長 速記を止めてください

 

稲田防衛大臣 突然のお尋ねですので、しっかり確認を致しますけれども、私は大臣就任の間は弁護士法人光明会を脱退をいたしております。そして大臣を拝命していない時には、弁護士法人光明会の社員の立場にあります。

そして その点についての収入というものは光明会からの収入というものについては報告をしているという風に認識をいたしております。

しっかり確認をした上で今あまりにも突然のお尋ねしたので、確認をして、報告をしたいと思います。

大野元裕議員 是非確認をしていただきたいと思っています。というのは、昨日私は突然といわれましたが、昨日のその議論の中で確定申告の話が出たので、通常確定申告する時には、先ほど申し上げた雑収入や事業所得というものを立てて、給与収入と別に通常は行うものだと思っています。

政治資金規正法等の義務を、我々政治家は、参議院の方で負っています。そこについての確認は是非して下さい。後刻、これは改めてお話しを聞かさせて頂きたいと思っています。

この報告書、特に当該年度平成17年から21年で結構です。これを改めてご提出頂きたいんですが、いかがでしょうか。

 

稲田防衛大臣 確認した上で、報告したいと思います。

 

大野元裕議員 よろしくお願いいたします。大臣、このまま議論をやることも大事なんですけれども、我々政治家として先ほど申し上げた通り、大臣の言葉をまずは信用したい。この思いからこういった議論させていただいているところでございます。是非ファクトについて重く受け止めて頂きたい。その上で明日以降また改めてこの話はさせていただこうと思っています