読む国会

国会・政治をわかりやすく解説するニュースメディア

【予算委員会】安倍首相の全日空ホテルを巡る答弁が破綻(N日ぶりN度目)。国会は未知の世界へ

昨日の全日空ホテルを巡る答弁は、ついに一日の答弁の中で論理的な整合性が取れなくなり、大変注目を集める事態となっている。簡単にまとめる。

 

「この七年間にございません」

午前、辻元委員が、ANAインターコンチネンタルホテルへの問い合わせの書面を明らかにした。

  • この書面は、明細書は必ず主催者に発行すること
  • どのようなケースでも、宛名のない領収書は発行していないこと
  • 主催者からもらわず、一人ひとりから会費を集めることはないこと

を明らかにしている。

 

「辻元議員は一般論」

午後、総理は問い合わせを行い、

総理は午前中には「宛名のない領収書を発行したことは間違いない」と主張していたが、午後には「上様、と記載することがあった」と主張を変更した。

しかし、電話での問い合わせに関しては、どのような文脈で回答されたものかわからないため書面での解答を要求。しかし、安倍総理はこれを拒絶し、審議は一時中断するなど大荒れとなった。

 

「主催者に対して明細書を提示しないケースはない」と明言

安倍首相の「明細書の発行は受けていない」との答弁に関し、「弊ホテルとしては、主催者に対して明細書を提示しないケースはないため、例外はないと理解している」

 

また、各社の取材に対しても、安倍事務所への回答と国会答弁が違うとの回答が得られている。

 

ということで、すでにこの時点で安倍総理は倒れている(答弁不能に陥っている)と考えるのが妥当ではあるが、これまでも論理的、かつ一般常識的に反した答弁を繰り返してきた安倍総理だけに、どのような答弁を繰り出してくるのは、実に注目である。

辻元議員の問い合わせに動揺したのか、電話での問い合わせで「あくまで一般論」「上様と書くことはある」という回答を紹介したものの、冷静に考えればこれらは、「宛名のない領収書は発行していない」「例外はない」と回答されている以上、全く意味がなさない。

反論されることも十分考えられたのに、議事録に残る国会答弁としてはお粗末極まりないものだ。

 

ちなみにどうでもいいが、昨日の答弁に関しては概ね予想があたった。あたったところでなにか意味があるかと言うと、特に意味はない。

 

そんな私がする今後の安倍総理の答弁の予想としては、

  • 「すでに答弁しているとおりでございます」
  • 「私は色々と忙しいんですよ」
  • 「いちいち、書面で出す必要はないわけでありまして」
  • 「私があたかも嘘をついているかのような印象操作はやめていただきたい」
  • 「私が総理大臣として答弁したことを信じられないなら、議論にならない」

あたりで押し切るのではないか、と考えている。まあそれを押し切っていると呼べるのかは不明だが……。これから行われるのは一般質疑であり、しばらく総理入りの質疑はないだろうが、締めくくり総括質疑までに果たしてどのような答弁が出てくるか、注目だ。

 

安倍三代

安倍三代

  • 作者:青木 理
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2017/03/07
  • メディア: Kindle版