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厚労省、陽性になったときの業務への影響を考慮し、検査を行わないことを決める

 

news.tbs.co.jp

新型コロナウイルスの集団感染が起きているクルーズ船内で業務していた厚生労働省などの職員の多くが、ウイルスの検査を受けずに職場に復帰していたことが分かりました。厚労省内で検査が一度は検討されたものの、陽性者が多く出た場合の業務への影響などを考慮し、見送られたということです。

「陽性者が出たら業務が回らない……」

「ふむ……それなら、検査をしなければいいのでは?」

「そうか!検査をしなければいいんだ!」

「何という天才的発想だ!」

 

というやり取りがあったかどうかは別にして、これは天才的発想と言ってもいい。確かに検査しなければ陽性にはならない。当たり前の話だ。

大変小さな問題があるとすれば、周りに感染させてしまうかとしれないということだが、業務が回るという大義に比べれば些細なことである。

 

考えてみれば、いじめ件数を減らすためにいじめがないことにしたり、待機児童をゼロにするために待機児童の定義を変えたり、撤退していないことにするために転身にしたり、我が国にはこういう数値マジックがたくさんある。

しかし、今回のような人名に関わることですら、抜本的解決ではなくそういった小手先の処理をしてごまかしてしまえば、用意にカタストロフィが訪れる、ということは、現場の人間はわかっているはずだ。

 

これは、ひとえに政治的決断をし責任を取ることのできない政治家の側に問題がある。

「業務が回らない」というのはいいわけで、クルーズ船をめぐる対応のまずさを隠蔽するために検査をしていないのではないか。私にはそう思えてならない。