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稲田大臣の日報問題、シビリアンコントロールを揺るがす事態に

渦中の稲田大臣が会見を開き、辞任を否定した。

 

稲田大臣が会見を開く

 「私は徹底的な事実関係の解明を指示しており、必要があれば喜んで協力する」。稲田氏は21日の記者会見で、こう語った。日報問題の特別防衛監察を実施している防衛監察本部の聴取に、積極的に応じる姿勢を示すことで、自らの主張が正しいとアピールする狙いが透ける。


 陸自は監察本部の聴取に対し、日報データが見つかったことを2月中旬に稲田氏に報告したと説明している。稲田氏は通常国会での答弁も含め「報告はなかった」と一貫して否定。監察結果の公表時期について、防衛省は当初検討した21日を見送り、週明け以降に持ち越した。


 日報問題への稲田氏の関与を伝える報道に関し、防衛官僚には「責任を押し付けられることを恐れた陸自のリーク」との見方が強い。8月3日には内閣改造を控えており、稲田氏に対しては与野党に交代論が広がる。
 文民である政治家が自衛隊を指揮・監督する民主主義の原則からして、陸自が閣僚人事に影響を及ぼそうとすれば行き過ぎだ。自民党国防族からは、稲田氏と陸自の確執に「文民統制が利いていない、という議論に発展しかねない」と危惧する声が漏れる。

 

当初より問題を追求してきた布施さんの反応

 

国会クラスタの反応 

 

稲田日報問題は、稲田朋美という一政治家の問題だけではなく、もはや日本の政軍関係の危機と呼べる問題となっている。

今後もこの問題については注視していきたい。

 

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき

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