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国会・政治をわかりやすく解説するニュースメディア

『25歳からの国会 - 武器としての議会政治入門』を発売します!

まえがきに代えて 7/20に現代書館さんから新刊「25歳からの国会 - 武器としての議会政治入門」を発売することになりました! 早速予約してくれるという方はこちら↓ 25歳からの国会: 武器としての議会政治入門 作者:平河エリ 現代書館 Amazon (Kindle版あり…

#国会流行語大賞2020 投票結果を発表します!(※結果発表という認識ではない)

皆様、「#国会流行語大賞2020」にご参加いただきありがとうございました! なんとなんと、958票もの投票をいただきました。趣旨に批判的なコメントを除いても、おそらく900票を超える投票となります。 たくさんの方にご参加いただきましたことに感謝いたしま…

#国会流行語大賞2020 今年一年の国会の名言迷言珍言をご紹介します

今年も始まりました(今年しかやってませんが)「#国会流行語大賞2020」。 一年中国会を見ている変態国会クラスタの皆様から多数のご推薦をいただきまして、候補作を揃えて投票中です。 (↓から投票できます!今週の日曜日まで!) すでに多数の投票を頂いてい…

【完全版】日本学術会議の「任命拒否」は、一体何が問題なのか?

日本学術会議に関する動画をアップロードしました。可能な限りわかりやすく日本学術会議の任命拒否について解説しよう、という趣旨でして、顔出しするものなあと思いつつ、せっかくなのでやってみました。 こちらのエントリーでは、動画の元原稿をもとに、動…

「縦割り110番」の何が問題なのか

河野太郎行政改革担当大臣による「縦割り110番」に対して、4000通の悩み事が寄せられたと、大臣が記者会見で発表した。 自らのHPに「行政改革目安箱」を開いたが、4千件を超える情報や意見が殺到して停止していた。自らがすべてに目を通す方針も見直す。 「…

「総理であり続けた人」がやめた

安倍晋三首相にはやりたいことがなかった。彼の政治的テーマは可能な限り長く首相をやることだった。 七年半の政治的リソースのほとんどは自身の権力維持に使われ、成立した大きな法案は共謀罪や安保法制、入管法改正など、出来が悪くとうていレガシーと言え…

コロナ対策で「今」行うべき政策は、少なくとも消費減税ではない

先日、このツイートに対して大きな反響があった。趣旨について説明する。 なぜ消費減税を「今」検討すべきではないのか まず、結論から言うと、ツイートの趣旨はシンプルである。「自粛と消費喚起は両立しない」ということだ。 現在、日本政府は様々な形で消…

厚労省、陽性になったときの業務への影響を考慮し、検査を行わないことを決める

news.tbs.co.jp 新型コロナウイルスの集団感染が起きているクルーズ船内で業務していた厚生労働省などの職員の多くが、ウイルスの検査を受けずに職場に復帰していたことが分かりました。厚労省内で検査が一度は検討されたものの、陽性者が多く出た場合の業務…

【新型コロナ】岩田健太郎氏の発信により、ゾーニングなど検疫・隔離に関わる様々な問題点が明らかに

感染症専門医の岩田健太郎氏が、クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の検疫の実態を明らかにしたことにより、様々な反応があった。 感染症専門医、岩田氏からの動画による指摘が拡散(現在は削除) ダイヤモンド・プリンセス号に乗船した感染症専門医 「感染…

【予算委員会】安倍首相の全日空ホテルを巡る答弁が破綻(N日ぶりN度目)。国会は未知の世界へ

昨日の全日空ホテルを巡る答弁は、ついに一日の答弁の中で論理的な整合性が取れなくなり、大変注目を集める事態となっている。簡単にまとめる。 「この七年間にございません」 辻元清美議員から王手かかりました。「全日空ホテルに文書で問い合わせました」…

「足を踏み入れただけ」安倍総理、ビュッフェのパーティーで乾杯したのに契約の意思表示をしていなかったことが判明

衆院・本会議 (20.2.13)安倍首相「桜を見る会」前夜祭について「夕食会場に足を踏み入れただけであって‥」主催して乾杯してるのに、こんな言い訳する pic.twitter.com/uvpxdd5qOF — クッキー (@cooo55) February 13, 2020 言葉じりを捉えるようだが、ゲスト…

「意味のない質問だ」と、安倍総理が辻元清美議員に閣僚席から野次を飛ばす【予算委員会】

辻元清美議員の質疑終了が終わった直後「意味のない質問だよ!」とはっきりと聞こえる声で侮蔑の言葉を投げつけた安倍晋三総理大臣#国会中継 pic.twitter.com/rY4WUiJ8cR — ジャム (@jam9801) February 12, 2020 逢坂誠二、シンゾーの「意味のない質問だよ(…

総理答弁の「募集と募るは違う」は、何を意味するのか

少し前の話題だが、改めて。 やっぱりこのシーン衝撃的すぎた。安倍首相「私は募っているという認識で、募集しているという認識ではなかった」宮本徹議員「募るというのは募集するのと同じことですよ」#募ってはいるが募集はしてない pic.twitter.com/CFqfDN…

日本青年会議所の「メディアリテラシー向上アカウント」は、Twitterの政治広告なのか

Twitter Japanが日本青年会議所と提携し、「リテラシーとモラル」を教育させていくためのパートナーシップを結んだ、というニュースがネットで取り上げられた。 実はこのアカウント、なぜかフォロワー数が50くらいしかないころから公式認定されていて、最初…

公文書を一部消去しても、「改ざんにはならない」という政府見解とは?

国会では連日北村大臣が槍玉に挙げられている。北村大臣の能力が大臣にふさわしいかは別にして、そもそもこの政府見解にかなり無理があるので、どう答弁しても意味不明になるという部分があるのではないか。 政府見解は 今日の北村大臣白塗りの資料、そのま…

麻生元総理が「2000年にわたり同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝を保ち続けているのは日本しかない」と発言、その後謝罪

麻生太郎副総理兼財務相は13日、地元・福岡県飯塚市で開いた国政報告会で、「2000年にわたって同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝を保ち続けている国など世界中に日本しかない」と述べた。「アイヌ民族支援法」はアイヌを「先住民族」としており、日本…

れいわ新選組と山本太郎氏論・ポピュリズムとリアリズムの狭間で

2019年の参院選が終わった。大きなニュースのない選挙の中、れいわ新選組が2議席を獲得したことが話題を呼んだ。 本稿では、山本太郎氏の6年間の議会活動を振り返るとともに、一体れいわ新選組、あるいは山本太郎氏が何を目指しているのかを考えたい。 山本…

同性婚は違憲なのか?憲法24条の成立過程から読み解く、結婚と憲法の関係

(注)私はいかなる意味においても法曹関係者でも法律・憲法の専門家でもありません 「自分が(性的マイノリティ)の当事者であるということに気づくのは、多くの当事者にとって正直苦しいことなんです。当事者自身も同性愛嫌悪の感情を持っている場合があり…

国会において安楽死・尊厳死はいかに語られているか -「落合・古市対談」を踏まえて

古市 (前略)安楽死の話もそう。2010年の朝日新聞による世論調査では、日本人の7割は安楽死に賛成している。それにもかかわらず、政治家や官僚は安楽死の話をしたがらない。 落合 安楽死の話をすると、高齢者の票を失うと思ってるんですかね? 先日話題にな…

日本国の機能不全と労働者の軽視 ー 臨時国会における入管法改正の審議を振り返る

日本の未来とはなんだろう、と問われたら、どう答えるだろう。私はこのツイートこそが、日本の未来だと思う。 初当選同期の高村正大代議士のパーティにて司会を務めました。お父様の高村正彦大先生もいらっしゃり大盛況でした。これからも同期として切磋琢磨…

安倍総理の発言を AI に要約させたらこうなった

国会マニアにはお馴染みだろうが、安倍総理の答弁は、聞いていてもよくわからないが、議事録で読むとさらにわからないことで有名だ。 そもそも、最初の質問については、福島委員の質問だろう、こう思っておりますが、法律を潜脱していて、脱法的な疑いがある…

質問通告とは何か ー その責任は誰にあるのか?

桜田義孝五輪担当大臣の「質問通告がなかった」発言をめぐり、再び質問通告のあり方が話題を読んでいる。 そもそも、質問通告は、国会法に決められたルールではなく、あくまで与野党間の慣習に過ぎない。いわゆる「2日前ルール」に関しても、単なる与野党間…

教育勅語はどのように国会において「排除」されたのか。排除決議を現代語訳してみる

松本淳造衆院議員による決議案の趣旨説明 教育勅語等排除に関する決議文 決議案と趣旨説明についての解説 柴山文部科学大臣が教育勅語について言及したことで、波紋が広がっている。 mainichi.jp ところで、国会においては教育勅語を「排除」することを正式…

「アベ政治を許さない」に感じる違和感

www.asahi.com 金子兜太さんが書かれた「アベ政治を許さない」という文字は、様々なところで用いられ、未だに政治的なプロテストの場ではよく使われている。 その成立の経緯については充分に理解しているし、敬意を払いたい。 しかし、私は、「アベ政治を許…

毎月勤労統計と賃金センサスの違い - 西日本新聞の指摘に関して

なんとなく気になったので。 この西日本新聞の記事に対して、 上記のような批判があった。 筆者の主張 ざっくり筆者の主張をまとめると、 そもそも毎月勤労統計は不正確な指標である サンプリング手法の変更は、よりデータを正確にするために行ったのだから…

「ある意味犯罪」「週休七日が幸せか」「いい加減にしろ」 ― 与野党政治家の発言から振り返る、第196回(2018年)国会の異様さ

196回国会が閉幕した。異質で異様だった前国会について、本記事では時系列を追ってまとめた。 ※国会の議事録の性質上、全発言を引用するととても助長になるため、一部抜粋しているものがあるが、大意は変わっていない。 ハーバー・ビジネス・オンラインにも…

なぜ安倍総理は、不信任案に嗤(わら)うのか

枝野幸男立憲民主党代表が、戦後の歴史上最も長い内閣不信任案の趣旨説明をするなか、安倍晋三総理は、茂木敏充経産相とともに談笑していた。 カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法は20日夜の参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数…

失われた20年のあとの破壊された5年 - 政治家が嘘をつくことが当たり前になってはいけない

一連の事件の中で、様々に驚くことはあったが、まるでスパイ映画のように非現実的な事件を覚えているだろうか。 財務省の職員は国交省まで出向いて、わざわざ元の文章を改ざんしてさし変えようとした。しかしそれを国交省の職員は改ざんされると予知してコピ…

なぜ高度プロフェッショナル制度は(大きな抵抗もなく)成立したのか?

高度プロフェッショナル制度が成立した。 この間の高度プロフェッショナル制度を巡る与党の国会運営は、これまで述べてきた通り大変ひどいものだった。 何より、ヒアリングについての虚偽答弁が明らかになるなど、立法事実がもはや存在しない中で、このよう…

「政府から目をそらす」という政治姿勢が日本の政治を劣化させる

以前「野党を批判するのは簡単だが、それよりも重要なことが起こっているのではないか?」という趣旨の記事を上げたところ、多くのコメントを頂いた。 ここに集まったコメントを 批判について 批判されたコメントの一部をご紹介したい。 野党を支持しろ? 「…