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政治を学ぶ人へのおすすめ本・書籍14冊【まとめ】

入門

政治学の名著30(佐々木毅) 

政治学科などでよく薦められる入門書。(こういうたぐいの本は立ち読みでもいい気がするが)いわゆる「名著」が解説とともに紹介されており、なんとなく知った感じになったり、次に読む本を決める上では良書である。

 

政治のことがよくわからないまま社会人になってしまった人へ(池上彰)

ただ、本書は流石に池上彰だけあり、わかりやすいし、変なごまかしや例えがない。何回か改訂されており、著者の気合を感じる。

 

職業としての政治(マックス・ヴェーバー)

「暴力装置」という言葉は一時期仙谷由人によって有名になったが、近代政治で用いられるタームの中には、ヴェーバーが考案したものが多い。 

 

自民党を知る

自民党―政権党の38年(北岡伸一)

昭 田中角栄と生きた女(佐藤あつ子)

佐藤昭子の自伝は、後半とにかく田中真紀子への恨みつらみが書かれており(電話にすら出してくれない)、暗い気分になること請け合いだ。本書は、実子でないこともあり、少しそれより遠い距離感で、父・田中角栄を見ている。

ある意味では、著者の思いと今の日本人の思いは重なるのかもしれない。著者の苦しくも希望に溢れた人生と、どこか否定したく、それでも否定しきれない田中政治の記録がここにある。

 

YKK秘録(山崎拓)

本書を読むと、加藤紘一は随分人が良かったのだなあと思う。あるいは山崎拓も。だからこそ、彼らは非情になりきれなかったのかもしれない。しかし、加藤紘一や安倍晋太郎や河野洋平が総理大臣になっていれば、と思わせてくれるのは本書である。

「加藤の乱」は間違いなく日本の転換点だった。福田赳夫や宮沢喜一といったエスタブリッシュなリーダーは、加藤が破れた後、二度と出現していない。

 

民主党・民進党を知る

原発危機 官邸からの証言(福山哲郎) 

www.manabu.jp

本書は官房副長官という立場で、実務を取り仕切った福山哲郎参院議員による書籍である。圧倒的な臨場感と生々しさ、そしてこう言っては不適切かもしれないが、危機に立ち向かう議員たちの勇姿が記録されている。

民主党を見つめ直す(藤村修)

 「政界のドラえもん」と呼ばれた元官房長官、藤村修の回顧録だ。かなり率直に、政権時代のいい点も悪い点も語られている貴重な証言で面白い。小沢一郎にすら恨みつらみよりも客観的な評価をされており、悪口を言わない人柄が出ている。

「与党になればどんどん法案が成立する、やはり与党にならねば駄目だと感じた」という切実な感想に胸を打たれた。

 

民主党政権 失敗の検証

冷静に民主党政権の功罪を検証した書籍である。 多数の証言もあり、毀誉褒貶の激しい民主党政権は何が実現し、何が実現しなかったのかを考えるには最適だ。

 

公明党を知る

私が愛した池田大作(矢野絢也)

元公明党委員長であり、「黒い手帖」で創価学会を追われた矢野絢也氏の著作だ。人間・池田大作氏に迫った書籍はほぼ皆無であるため、極めて貴重な一冊である。

戸田城聖の人間革命は結構面白いが、新・人間革命は面白くない。池田大作の凄み・面白みはまさに権力にこそあるのに、その話はほとんど表に出てこないからだ。

本書は「巨大な俗物」池田大作の人物像に迫る一冊だ。

 

創価学会と平和主義(佐藤優)

佐藤優が公明党を褒めちぎる、画期的な本である。

いつだか、ラジオの対談で山口那津男と佐藤優の対談というなかなか貴重なものを聞いたことがあるが、(私なら山口さんと対談するのは相当怖い)

宗教と政治などに関する論考など、クリスチャンである佐藤だからこそ、という本であり。また、安保法制に関しての公明党の役割など、従来の公明党観を覆す書籍だ。

 

公明党 創価学会と50年の軌跡

多くの人が疑問に思うであろう「なぜ公明党は保守路線に転向したのか」という点をかなり丁寧に検証している。

いわゆる池田大作氏など学会の傀儡というだけでもなく、内部で独自のパワーメカニズムが存在することも検証している。

なぜこれほど支持されない政党が、常に勝ち続けるのか?現実主義的な点から検討した良書。

 

共産党を知る

日本共産党の研究(立花隆)

立花隆の労作であり、日本の政治史に残る一冊だ。日本共産党が、戦前の暴力革命からいかに変質してったか、あるいはその中でなぜ硬直化していったかが赤裸々に描かれている。

「共産党は公安から監視されている」というのは事実でも、その裏に何があるのか、あるいはその過程でどのように平和を重んじるようになったのかを知ることは重要であると考えている。その意味で、戦後の共産党に対して敵意のあるものではない。

 

スターリン秘史―巨悪の成立と展開(不破哲三)

本書は、不破哲三元中央委員会議長による書籍だ。

共産党の元トップが、スターリンを「巨悪」とまで批判していると、驚く人もいるのではないだろうか。実はソ連と日本共産党は仲が悪かった(中国共産党とも)。

本書を含め、不破哲三によるマルクス資本論の解説はなかなか面白い。彼は柔軟で現実的な人である。向坂逸郎のように、硬直的なマルキストは社会党に多かったのだ。